そしてついに、ルギアの翼が岩から外れた。 『やめっ!? 嫌だ!! 放せぇ!!』 バタバタともがきながらルギアは叫ぶ。しかしそんな事などお構いなしに水面へと引き寄せられていった。 |
地面が近付き、ルギアの背中が壁に押し付けられる。何枚か開いたままだった背ビレが、上に引きずられる度に引っ張られ、千切れた。 『がっ……がぁああぁああ!!』 体の一部が引き剥がされていく痛みに、ルギアは絶叫した。どこに残っていたのか分からない力で暴れ、糸をギシギシと軋ませる。 だが、それだけだった。金属の糸は切れる事なく、ルギアは水の外に引き上げられてしまう。 |