機械はぎこちない動きでルギアに向かって動き始めた。足が地面につく度に洞窟全体が揺れ、天井のひびを少しずつ広げていく。
『ぅ……ぅぅ……!!』
 自身と機械の質量差に圧倒されたルギアは、全身が悲鳴を上げるのも構わず機械から離れようとした。
 しかしルギアが必死に動いた距離を、機械は一歩で巻き返し、近付いてくる。
『く、来るな……!』





 完全に萎縮したルギアは、持てる力を振り絞ってハイドロポンプを発射した。しかしいつもなら全てを砕く水柱は、機械の表面から泥を洗い流すだけに終わった。
『そ、んな……!』
 覚えている技の中でも高威力な二つを防がれてしまい、ルギアは絶望に打ちひしがれる。こうなると彼に打つ手はもう無かった。


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