右腕はそのままルギアを後方にぶん投げた。その反動で体勢を立て直し、元の直立した状態に戻る。 |
『がっ、ぁあ!!』 だが投げられたルギアの方は、物凄い勢いで背中から瓦礫の壁に叩き付けられてしまった。後ろの岩が砕け、体が少しだけ壁にめり込む。 数瞬の間、ルギアは壁に囚われていたが、すぐに重力が仕事をし、地面にその傷付いた巨体を横たえさせた。意識を朦朧とさせながらもルギアは動こうとしたが、重力の戒めがいつも以上に厳しく、体を震わせるだけに終わる。 『ぐ……ぅ、ぅ……!』 ルギアは自分をこんな目に合わせた物体に顔を向けようとした。しかし首を動かそうとするだけで背骨に電撃が走り、結局目だけで機械を捕らえようとする。 そして、遥かな高みから自分を見下ろす機械の姿を、ルギアは視界に入れた。 <……対行動を検検検知しましたたた。と当備品は法律によりりりり自ええ衛行動を認可されていますすすす。ただちちちちに武りょりょりょ力行使をををを停止しししして下さい。繰り返ししします。当備品に対する敵対行動を検知しましたたた……> ルギアのエアロブラストは、全く効果がなかったわけでは無いらしい。機械の首は斜めに折れ曲がり、剥き出しになった配線からは火花が飛び散っていた。そのせいか機械から発せられる人間の言葉は不自然に歪み、リフレインされている。 |