リョナ2板、画ぞるケモリョナスレ以外への転載はおやめください。

――プラズマ団(悪い人グループ)がその威光を世に知らしめるため、ある伝説上のポケモンを強引に復活させた。
その名はゼクロム。かつて英雄と共に戦い地に平和をもたらしたポケモンの血を引く、二匹のうちの一匹である。
ゼクロムは自らが主と認めた人間にしか仕えない。召還された時、目の前に居る者たちが
自分の主となるべき存在ではないと感じたゼクロムは、捕縛しようと試みる彼らに容赦なく力を振るい抵抗した。
しかし数で勝るプラズマ団たちの前にじわじわと傷つき体力は削らていき、
ついには鞭のような草体の触手で縛り上げられ膝を屈してしまう。
触手から溶解性の毒液が流し込まれ、ゼクロムの体組織はどろどろに溶けて石畳の床をひたひたと濡らしている。
ゼクロムのエネルギーを最後の一滴まで搾り取ろうと、別の触手が口を無理やりこじ開けて、喉の奥に挿し込みエネルギーを吸い出している。



腹部に巨大な鉄釘を打ち込まれ、一ミリでも動くと全身に走る激痛に唸り声をあげながらも、
ゼクロムはプラズマ団のボスらしき、白髭の男をじっと見据え、服従を拒む意思を見せている。

「ウグ……ウガァ……!(たとえお前がどれだけ私を傷つけようと、私はお前の配下にはならんぞ……!)」
「――どうやらあくまで抵抗するつもりのようですね。まぁ、私も傷だらけのポケモンなぞ
 汚らわしくて不必要だと思い始めたところです。代替プランでゼクロムをおもてなしすることにしましょう」
「グガ……!(おい、どういうことだ――)」
ゼクロムの両脇にモンスターボールが投げられ、なんか腕力がめちゃくちゃ強そうなポケモンがはじき出される。
二匹のポケモンはゼクロムの両翼を両腕で引っつかみ、力任せに引きちぎった。



「グアアアァァァァ!!!」
引きちぎられた翼の根元から、血が勢いよく噴き出す。
「グアアァ!グァ、ウガァァァ……!(こ……こんなことをして……な……にになる……下劣な……に……人間どもめ……)」
「ゼクロムが私たちとは別の存在に利用されては、私たちの迷惑になります。
 いいですか、みなさん。
 ゼクロムを、徹底的に、跡形もなく、完膚なきまでに、潰し、破壊しつくすのです」
「ウガッ、ウガアアアア!!!!(な……なにをする……!き……貴様ッ……!や、やめろッ――!!!)」



ぶしゅぶしゅっ、っと早速ゼクロムの顎に打ち込まれる鉄釘。ゼクロムは悲鳴も上げられず、ただフガフガと情けない吐息を漏らしている。
「まったく、うるさいですね。これで少しは静かになりますかね」
顎を砕かれ、激痛で思わず目を閉じたゼクロムの姿は見るも無残であり、
もはやかつての伝説とうたわれし存在の面影はどこにもなかった――


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